社会人になるとなにかと「企画書」を作ることを求められます。
企画書なんていう大げさなものでなくても、提案書であったり要望書だったりは、仕事をしていればちょくちょく出てくるものです。そのように自分の考えなり要望なりを文書として作る機会は結構あったりします。企画を専門とする部署でなくても、営業部門でも製造部門でも総務部門でも、現場仕事やデスクワーク問わずにその仕事はやってきます。
「企画書」というとなんだかクリエイティブな響きですね。そういうものは、自分とは縁遠い大手の広告代理店のプランナーと呼ばれる人達が作り出すものなんじゃないかと思ったりしちゃいます。
そんな遠い世界のこととぼんやり思っていたら「おい、明日までに○○に関する企画書出せ」と言われた時、さてどうしましょうかと。企画書ってものすごいハードルが高い仕事のように感じられます。と同時になんとなくクリエイティブな仕事してる俺カッコイイ、なんてなったりもします。
しかし、いくら自分に酔ったところで、どこから手を付けていいは分かるはずもありません。というわけで、必要なのは参考資料です。それも簡単で分かりやすいやつ。カタカナや専門用語だらけで、意味なく難解な本はいらない。知りたいのは以下の3点ではないでしょうか。
1.企画はどうやって考えるのか?
2.思いついた企画をどう分かりやすく表現するのか?
3.企画書としての体裁はどうしたらいいのか?
そんなあなたにおすすめするのが以下の3冊です。とりあえずこれだけ読んでおけば、それなりの企画書は作れるようになるでしょう、多分。
企画はどうやって考えるのか?のために『企画の教科書』
著者はテレビ番組を企画するプロ。文字通り企画の専門家です。
企画を思いつくための心構えから、企画会議に臨む心得まで、様々な具体的事例を挙げて分かりやすく説明しています。さすが企画のプロ。文章は面白くサービス精神に溢れ、どんどん読み進めることができます。
「自分フィルターを持て」という感性を意識するように教えると共に、「顔の広いやつになれ」と知見の量を増やすことをすすめるなどバランスがとれていると感じます。
まず知識量ありき、という考え方は大事ですよね。ともすれば、今の自分の感性のみをもとにアイデアを絞り出せ、みたいなやさしいのか無責任なのかよく分からないアドバイスが溢れている中で、基本を押さえていてすばらしい部分かなと。これも現場で実績を積み重ねてきた人ならではの言葉なのでしょう。
思いついた企画をどう分かりやすく表現するか?のために『頭が良くなる「図解思考」の技術』
なんとなくぼんやりと企画アイデアが浮かんだとします。じゃあ、それをどうやって相手に伝わるように形にするか、が次の壁となります。
文字だけを箇条書きに並べただけでは、相手に伝わらないので図に描いてみよう。そのような内容が書かれた本です。
図解、絵を描くのは難しいという思い込みはありますよね。ちゃんとデッサンとかしないといけないんでしょ、とか思ったり。この本では、そんな高等テクニックがなくても、四角と矢印だけで分かりやすい図解ができると教えてくれます。
図解の本だけに図・イラストが多く見やすくなっています。図も手書きでやさしい感じなので見ていて楽しく親しみを覚えます。見ているだけでもなんだか図解がうまくなったような気になってしまいます。ま、それは危険なんでしょうけど。この本の中でも「手を動かせ!」としきりに言っています。
図解をすることで、相手に伝わりやすくなるばかりでなく、自分の考えをまとめるのにも役立つ、とのことです。
企画書としての体裁はどうしたらいいのか?のために『あのヒット商品のナマ企画書が見たい!』
さて、企画アイデアもある、そのまとめ方・伝え方も分かった。ここまできましたが、企画書を書き出すにはまだ不安ですよね。
思います。
なんかひな形ないんか、と。
それトレースしたら、ばしーっと体裁のいいのができあがるような。
欲しいですよね、ひな形とかサンプル。少しは自分で考えろっちゅうに。
まあ、とりあえずネット検索しますよね。「企画書 テンプレ パワポ」とか。で、ネットで検索しても、なんだか一般的でぼんやりしていて、役に立つものは少ないなあって思います。
そこでこの本です。この本に収録されている企画書は、実際に世に出てヒットした商品のもの。すごいことです。よくこんなもの外に出せたなあという企画がいっぱいです。見ているだけでなんだかワクワクします。
すごいなあと思う反面、こんなものでもいいのか、と感じたりもします。ヒットした商品の企画書は、めちゃめちゃデザイン性なんかも高くて、一般人なんか手の届かない芸術作品のような企画書なんではないかい、なんて根拠のない思い込みがあったりします。
あ、デザイン的にはこんな感じでいいんだ、という逆に安心するというか、企画書に対するハードルをいい意味で下げてくれます。
当たり前のことですが、一番重要なのは内容なのですから。
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