
墨出しは二人一組で行う作業
建築現場における現場監督の重要な仕事として「墨出し」なるものがあります。コンクリートなどの床面上に設計図通り建物の原寸を描いてく作業です。その線を描くために「墨つぼ」や「墨さし」などの道具を使って「墨打ち」作業を行います。この作業は、基本的に二人一組のペアで行います。

墨つぼを持って糸をはじく役割は、経験のある方が担当します。そっちの方が難しいから。墨糸に墨汁が適度に付いているかを確認し、適切なテンションで墨糸を引っ張り、真っ直ぐに持ち上げてはじく、ことは経験がないと意外と難しいものです。
しかし、状況によってはどうしても一人で墨出しをしなきゃいけないということは頻繁に起こります。一人だから出来ません、では現場は進まない。じゃあどうするかですが、私自身いろいろとやってみたものです。
一人の場合は自分の足、コンクリート釘を使う
一人で墨出しをする場合は、墨つぼの先端(カルコという)をいかに固定するかがキモですね。短い距離であれば、自分の足で固定してやります。

足がつりそうになりますが、足が届く限りはこのやり方で行います。
れ以上の距離になると、なんらかの形で先端を固定する必要がでてきます。
通常、墨出しはコンクリート上にすることが主なので、そのコンクリートにいかに固定するかが問題になります。
このカルコにも針が付いていますが、石膏ボードやコンパネへの固定を前提としたもので、コンクリートの硬さの前には全くの無力になります。
まずその固定方法として、コンクリート釘(コンクリ釘)を使うやり方があります。墨出しの印の所にコンクリ釘を打ち付けて、墨糸の先を巻きつけて固定して墨打ちをします。
しかし、私自身はあまりこのやり方はしませんでした。釘を打ち付ける強さが難しかったりしますので。強く打込んでしまうと抜くのに苦労するし、弱くするとすぐ抜けてしまう。
ジャッキベースを使うのが一番コスパが良い
で、いろいろ試した揚句、実際によくやったのはジャッキベースを使う方法。

ジャッキベースは足場の一番下にある高さを調整するあれです。現場にはよく転がっていて、重さ的にもさほど負担なく持ち歩けます。それでいて軽すぎないので、先を固定するには支障がない。
ジャッキベースのベースの部分があまり痛んでいなくて、ネジの部分にあまり油っけのないやつが使いやすかったですね。
一人で墨出しするための道具とかはいろいろとあるようですが、タダでお手軽でしたので私はよくジャッキベースを使っていました。


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