現場監督の仕事『資材搬入』のコツを解説

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資材搬入を計画するには経験が必要

現場では様々な資材をいつどこに搬入するのか、は大変重要です。現場の効率が全く違ってきます。建築物は資材を現場に搬入して、そこで組立てていくことで出来上がっていくものなので。

現場監督にとっての命綱である「だんどり」。だんどりと言うと、どの業者をいつ何人程度現場に投入するのかという、人の計画がまず思い浮かびます。しかし、資材をどのようにいつどこに搬入するか、という物の計画は人の計画と同様ものすごく重要です。

このヒトとモノのだんどりをする力は、現場で経験を積まないと絶対に身に着かないスキルだと思います。それ故に貴重で自分の武器になるスキルでもあります。体得するには苦労しますが、今後どんな仕事をすることになってもその力は役に立ってくれます。

一言で資材搬入計画(大枠で言うと仮設計画になるかな)を立てると言っても、様々なことを考慮し確認をする必要があります。

搬入路の確認・・・主要道から現場までの導線、道路や周りの建物の状況はどうなっているか?資材を運んでくるトラック、生コン車、ポンプ車、レッカー車はスムーズに入ってこられるのか?

荷降ろし場所や方法の確認・・・車はどこに止めて荷降ろしするのか?現場内にそのスペースはあるのか?現場の外に一時停止をしてやらないといけないのか?

資材の置き場所の確認・・・降ろす資材は現場建物内に入れてしまうのか?建物外の敷地のどこかに置くのか?その場合濡れたとしても大丈夫なものなのか?その資材は使い終わるまでその場所に置いておいていいものなのか?他の作業や資材搬入に邪魔になったりしないのか?

まだまだ考えないといけない点は多くありますが、いろいろ考えていると頭の中が混乱してきて最後には、

ああもう分からんわなんとかなるやろ

という現場でありがちな思考に落ちてしまいます。

でもそこで少しがんばって踏みとどまって、仮設計画図を書いてみたり工程表を作ってみたりします。そのことで、現場の空間と時間の流れを頭の中に描いて検証していきます。

乏しい想像力を総動員してバーチャルな空間の中で繰り返し建物を作っていき、その手順に矛盾が生じないか確認します。最近ではBIM(Building Information Modeling)なるものが普及してきているみたいですが。

きちんと計画したつもりでも失敗する

しかし、そこまでぐーっと考え抜いても、うまくいかないことは多いです。

単純に、考慮すべき点を忘れていたわ!という原因が多かった気がします。他には、業者が打合せとは違う手配をしてきたとかでしょうか。日にちが違う、物が違うのは当たり前。でかすぎるトラックで来てみて入れなかったり、指示通りの場所に降ろしていかなかったり。

また、そもそも無理な状況(敷地の条件や工程など)を分かっててやらざるを得ない場合もあったりします。特に工程が厳しくて、無理やり多くの業者や作業を詰め込んだ時にトラブルは起きやすいものです、まあ当たり前ですが。

工程が詰まってくると現場監督は追い詰められちゃいます。ああ間に合わん間に合わんわ!あの工程もこの工程もしないといけない。とにかく業者を呼んでありったけの人数を入れるように言わんとあかん!とパニックに陥ります。

そんになに一気に投入してもうまくいかないことは明白ですが、人間厳しい状況におかれると論理的思考が停止して精神論的思考に逃避してしまいます。

気合でがんばればなんとかなるやろ

日本人の悪いところです。精神論でがんばってみた所で現場に神風が吹くことはありません。ただただ混乱するだけ。どんどん現場監督のコントロールが及ばなくなっていきます。

で結局、急いだつもりが逆に時間かかって施工の質もおちてしまう、なんて笑えない結果になったりします。じゃあ、どうすればいいんだよと現場監督の苦しみの声が聞こえてきそうです。工程を延ばせばいいんだけど、会社側はそんなことはしません。ただただ急げやと言うばかり。ほんと逃げ出したくなります。

建築現場ってひとつひとつ違う状況で人間の手作業で作り上げていく、という性格のものであるので難しいなあと思います。以前のやり方が今回でも通用するとは限らないので。

でも多くの人が仕事をしているので、その中でこれは良いやり方だなという事例はあるはずです。そのような事例を参考にしつつ自分の現場に応用することはできると思います。しかし、なかなかそのようなノウハウは蓄積されにくいし、業界全体での情報共有も進んでいるのかどうかも分かりません。

全体での集合知を活用すれば、もっと建築は効率的になるのではと思ったりします。

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