現場監督といえば、スケール、墨つぼ、レベル、でしょう
スケール、墨つぼに続く現場監督道具の御三家のひとつ。前ふたつとの違いは高価な精密機械であるということ。取り扱いには注意が必要。先輩からは「コレは精密で高いものだからくれぐれも扱いは慎重にな、分かったな」と繰り返しのプレッシャーが与えられる。
何をする道具かといえば、現場で水平を出す時に使うもの。本当にもーイヤになるっちゅうほど使いますね。現場ではとにかく水平、なにをおいても水平の基準が必要となります。それと後は直角でしょうかね。もうとにかく水平と直角を出すことばっかりを現場でやっています。
正式名称は「オートレベル」と呼ぶらしい。なんで「オート」なんだ?と現場で使っている時は思ったものでした。だって全然「オート」じゃねえし。水平を調節するのはこっちでしてあげないと使えない。「オート」って言うんなら三脚の上に乗っけたら自動的にウィーンって感じで水平を合わしてはいどうぞ、ってならんとあかんやろと。調べてみるとどうやら中身のメカニズムで「オート」な部分はあるらしいですが、よく分かりません。
使用する時は、三脚の上に据え付けて覗き込むような格好になります。二人1組でレベルを覗く人と印を付ける人とで作業をします。
レベルを覗くとスナイパーのスコープみたいに十字の印が見えます。台座に乗ったレベルは360度回転するようになっており、覗いた十字の印の所が同じ高さである、という仕組み。ただ三脚の上に据えただけではレベル本体は水平になっていないので、台座の3方にある高さ調整ネジを回して水平にしてやります。
この高さ調整ネジの調節が少々難しい。本体に付いている水平を表す気泡が真ん中に来るように3つあるネジをグリグリするのですが、コツを掴むようになるまではちょっと時間がかかりましたね。まあでも、もう一つの測量機器である「トランシット」よりは据え付けは随分と簡単ですが。
新入社員の頃はなかなか水平にならなくて、先輩が横で待っていることもあり、焦ったことを覚えています。焦っちゃうとますますできなくなるんだけどね。この調整が秒速でできるようになると「オレもできるようになったなあ」とちょっとした自己満足に浸ることができますよね。
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