現場監督の仕事『鉄筋工事』の流れを解説

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鉄筋工事は鉄筋と結束線だけで様々な造形物を作りだす

初めて基礎配筋の工事を見た時、軽く感動しました。なにもない所から鉄筋を細い結束線で組み上げて、立体的な造形物が出来上がっていく。すごいぞと。

自分でもやってみようと思い、結束線とハッカーと呼ばれるクルクル回す道具

を使って鉄筋を結束してみましたが、これが結構難しい。

強く締めようとクルクル回しすぎるとすぐ結束線が切れてしまう。なんてやわなんだ。そうだから、あまり回さずに弱く結束すると鉄筋同士がちゃんと固定されない。そのちょうどいい塩梅を見極めることが重要ですね。

結束するのも鉄筋が地面に置いてある状態では簡単だけど、立体的に空中で組み上げるのは難しい。職人さんはさも簡単そうにやっているけど、実際はそうでもないんだなと実感しました。

鉄筋工事は施工写真が重要

その鉄筋工事において現場監督の大切な仕事のひとつが施工写真です。鉄筋の数や組み上げるピッチが図面の指示通りになっているのか?が確認できるように撮影する必要があります。

本数とピッチが確認できるような写真をいかに少ない枚数で達成させるか、に情熱を燃やしていました。

鉄筋は太さ(断面の直径)も重要なんですが、写真ではそんなの分からないけど大丈夫なんやろか?という疑問を当時感じてはいました。まあそれは周りと比較してなんとか分かるやろ、ということになっていたようです。

写真撮影においては、カメラの角度・距離・高さをどうするかが大変重要。配筋された状況に対して、どれくらいの角度で・どれくらい離れて・どれくらいの高さで撮影するときちんと納まるかが考えどころでした。

まあ単純に、ギリギリ鉄筋の本数が確認できる距離まで離れて斜め上から撮る、というやり方が一番効率が良かった気がします。

今はデジカメの画面の中に工事黒板が表示できるようになっているんですね。これは便利。しかし、少し前までは本物の黒板を使うしか選択肢がなく、面倒なものでした。

黒板の設置もカメラの位置や太陽の角度などを計算に入れ、一番見やすいようにしないといけません。そんな感じでなんだかんだ考えて黒板を設置し、ちょっと離れた撮影箇所まで歩いて行ってさあ撮ろうかとカメラを構えた瞬間、黒板が風などでパタっと倒れてしまう。

おう、なにしてくれんねん黒板

突っ込むべきは風にかもしれませんが、そんな苦労をしながら基礎の各部分の写真を撮っていきます。

鉄筋はコンクリートを打ってしまったら見えなくなってしまうし、基礎部分では埋め戻してしまうので事後に確認することは不可能です。なので品質の担保のために写真は大変重要になります。

「うまく写真を撮らないと検査通らないかもしれんよ」とのありがたきお言葉を先輩方からよくいただいたものです。

新人の時に驚いたのは、鉄筋ってすぐに錆びること。現場に持ってきた時はピカピカなのに、すぐ赤茶けてしまう。ええっ!こんなんで大丈夫なのか?と不安になりました。

実際は、多少の錆びは問題なくて逆にコンクリートとの付着力が増すとのこと。

現場に持ってきた時から錆びていて、錆びが浮いて鉄筋の断面が損傷しているような状態ではダメでしょうが。

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