現場監督の仕事『外壁工事』の流れを解説

仮設の電気を引いた後は、とりあえず外壁工事に取り掛かりますかね。

私が担当していた鉄骨造の建物では、ALCで外壁を作るのがほとんどでした。ALCとは、100mm程度の厚さの工場で作られたコンクリートパネルのようなもの。コンクリートに多く空気を含ませて軽くなるように作られています。

そのようなパネルを建物の外周にぺたぺたと取り付けていきます。ちなみにALCの色は通常のコンクリートのようにグレーではなく白色だったりします。

ちなみに工場や事務所の建物では、外壁はCチャン胴縁にサイジング貼りということも多くありましたが。

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資材搬入は事前の確認が大事です

外壁工事が近づくと現場には白い塊を満載したトレーラーがやってくる。ALCの搬入だ。このような資材搬入には事前の確認が重要です。

テキトーに業者まかせにしていると、トレーラーが現場に入ってこれませえん!というシビれる状況に陥る可能性があるので。業者の担当者もテキトーで現場を確認しないことが多いからね。

搬入予定の車の大きさ、主要道路から現場までのアクセス道路の状況、現場敷地入口の状況(入口は十分な幅があるか?養生鉄板は十分敷き詰められているか?とか)、敷地内の状況(トレーラーとレッカーが入って十分な作業スペースがあるか?)などに問題がないか事前に確認しておこう。

まあ、事前に確認してOK出しておいたはいいけど、実際になったらあかんかったわ、ってなったら最悪だけどね。それなら、確認も含めて業者にお願いしておいたほうが安全かもしれません。

図面チェックは面倒だけど手抜きをしないこと

そうやって現場に搬入されるALCは事前に工場でカットされたものです。ALC製作前に現場監督が事前にALC図面のチェックを行っています。このように、現場監督が直接書くことはないけれど業者が書いてきた図面をチェックする、という仕事は現場では結構あります。そして、現場監督の仕事ではかなり重要なことでもあります。

現場監督は、建築の図面(設計図)や他の工事の施工図、現場に使う様々な製品カタログを見比べながら、頭の中で建物を組立つつ、赤鉛筆片手に図面のチェックをしていきます。そのALCがきちんと納まるかどうか、一つ一つ図面に書かれている寸法を確認していかないといけない。業者の入れた寸法では納まらないなら、赤で修正を入れていきます。

なので、監督の責任は重大です。業者はその寸法通りに製品を作るので、現場で納まらなかったら監督の責任になってしまう。なもんで、自分が図面チェックしたものが現場に入ってくる時はドキドキしました。果たしてうまく納まるのか?と不安になったものです。

図面チェックは面倒くさいからテキトーにやっておこう、なんて思っていると後でとんでもないことになるので、時間がかかってもしっかりやっておくべきですね。ということがあった後、ようやくALCパネルの建込み開始です。

おっ、その前に立上がり壁の天バに墨を出しておかなければいけない。ALC壁は立上がり壁に対して雨じまいのこともあり、少しずらして建込みます。その位置を墨打ちしておきます。で、ALCを1階部分から上へ上へと積み上げて固定していきます。

ALC工事はとにかく埃っぽい

ALC工事中はとにかく現場内が埃っぽくなります。事前にカットしてきているとはいえ、現場でALCをカットすることは多々あります。そのたびにコンクリートカッターで切っていく訳ですが、この粉塵がものすごい。現場内一面真っ白。とても近づけたもんじゃない。

もちろん工事中は防塵マスク必須です。がしかし、そんなとんでもない粉塵の中でもマスクをしない職人さんも多い。ある時ALC職人の経歴書的なものを見る機会があったのですが、

全員、塵肺経験者やんけっ!

と驚いた記憶があります。みなさん自分の身体は大切に。現場では安全第一です。

開口部や腰壁などは、L型アングルとALCを組み合わせて、バチバチっと溶接でつなぎながら形作っていきます。現場監督の仕事では、この開口部の高さを決めるためのレベル出しをしたり、作業状況を写真に撮ったり、があります。

ALCはその名の通り軽量であることが売りですが、やっぱりコンクリはコンクリなので重い。職人さん達はそんなALCを軽々と扱うのですごいもんです。もちろん、台車やウインチなどの道具は使いますが。自分にはとうていできんわ、と思ったものです。そんなもんで、肺以外にも腰をやられている職人さんも多かったです。

埃だらけの現場で重量物を扱うお仕事。大変です。まあ、職人さんに話を聞いても、本人たちはさほど大変に感じていない様子ではありましたね。事務所内でじっと座っている仕事こそ出来そうにないわ!って豪快に笑って美味しそうに缶コーヒーを飲む姿が印象的でした。

そんな感じで屋上まで建込みしていき、ALC壁同士の隙間をモルタルで充填していったら、ALC工事も終了です。実際は、ALC職人が立ち去った後にコーキング屋が来てALCのジョイント部分にコーキングをしていきます。それが終了したら本当に完了でしょうか。

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