現場監督の仕事『立上り壁・各階床コンクリート工事』の流れを解説

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立上り壁は差筋が問題だ

鉄骨工事が完了すれば、次に立上り壁と各階床のコンクリート工事が待ち受けています。

立上り壁で注意すべきは「差筋」かな。立上り壁の内側に土間配筋と一体化すべく差筋をするわけですが、これが結構な手間だったりします。これを忘れると、のちのち差筋アンカーを打ちまくらないといけないハメになります。

型枠がある程度組み上がった後、差筋をすべき箇所にチョークなどで印を付けていきます。そうしておくと型枠屋が穴を開けておいてくれます。この差筋をする所(高さ)を事前に型枠屋に伝えておくことを忘れてはいけない。そうしないと差筋をすべき高さの所にどーんと端太角やフォームタイを設置されてしまうので。

そうして開けた穴に、事前に鉄筋屋に言って用意してあったL字型の鉄筋を差し込んでいく。この差筋ですが、型枠屋はあまりいい顔はしない。入り隅コーナー部分の型枠がダメになってしまうから。

型枠バラしにくいわ!ベニヤ使いもんにならなくなるし!!

とのことらしい。コーナー部分では差筋が90°に交差して重なるので、うまく脱型することができず材料が駄目になってしまうからね。

レベルを据える場所を熟考すべし

そうしているうちに型枠のかためが終われば、コン天のレベル出しだ。今回のレベル出しは基礎コンの時よりはちょっとは楽。あまり上下の移動がないから。

しかし、この頃になると現場はずいぶんとゴチャゴチャしてきます。なかなか見通しがきかない。なので、レベルを何度も据え直さないといけなくなります。で、いかに現場を広範囲に見渡せる場所にレベルを据えるか、に心血を注ぎます。何度も据え直すのめんどいからね。

そうやってレベル出しした印を墨打ちした後、面木を打っていきます。これで立ち上がり壁のコンクリート打ちの準備は出来たわけですが、ここだけコン打ちすることはまれですね。大抵、上の階のデッキ床コンクリート打ちと一緒にしていました。その方が効率がいいので。

上の階の床コン打ちをするには足場を組んでおかないといけないので、段取りのタイミングには気を付けないといけないのですがね。

デッキ床のレベル出しにはテンバポイントを使う

デッキ床コン打ちするには、まず鉄筋の替わりのワイヤーメッシュなるものを敷きつめていきます。文字通り”ワイヤー”が”メッシュ”状になったもの。鉄筋より径が細い鋼線を格子状に溶接したものです。

敷くときはかぶり厚確保のためのサイコロも忘れずに。メッシュ敷きが終われば施工写真(ワイヤーメッシュのピッチや重ね幅が分かるように)を撮って、ここでもレベル出しだ。

テンバポイントを一定の間隔でデッキ床に取り付けていきます。このテンバポイント、床取付面に両面テープが付いています。メーカーの説明では「強力接着テープがついているので簡単に設置できます!」なんて言っています。おお、なんと親切なんだ、と思います。

まったく役に立たないけどね。

全くもって強力でない。デッキ上をウエスできれいにしてから貼りつけても全然ダメ。コン打ちの時倒れる倒れる。なもんで、タップビスでデッキに固定していました。これなら安心。

そうしてテンバポイントを設置した後、レベル出しをしていきました。ここまでで準備完了。あと、コン止めの確認を忘れずに。コンクリがこぼれないよう取り付けのもれがないかチェックは確実にしておくこと。

そんなこんなで立上り壁、各階床コン打ちだ!

外壁がALCの場合、コン打ち中にアンカー用の短い鉄筋を埋め込んでいきます。

土間コン打ちの準備はすることが結構ある

養生後、脱型が終われば土間コン打ちの準備へと入っていきます。1階床のことは土間コンと呼んでいました。土の上に直接コンクリートを打つからでしょうか。

まず、設備屋と電気屋がユンボ(2階の床や梁に当たらないような小さいもの)を持ち込み、設備と電気の配管をしていきます。

それが終われば、土工が埋め戻しをして、砕石を敷き転圧してかためます。砕石の上に防湿のための土間シートを敷き、その上に断熱のためのスタイロフォームを敷きつめます。土間シートとスタイロファームが一体化している製品もあるようですね。高いけど。

もちろん施工写真を忘れないように。土間シートの厚みや重ね幅、スタイロフォームの厚みが確認できるように撮っておくこと。ここまできたら鉄筋屋の登場。粛々と土間配筋を組んできます。

土間のレベル出しは面倒である

土間配筋が終われば、さあやってきましたおなじみのレベル出し。またかよとうんざりですが、お仕事なのでがんばります。

ここでは、土間用のテンバポイントを使います。

正直、土間のレベル出しは難しい、というか面倒です。土間ポイントを土に打込んで固定するわけですが、固い場所や打込み途中に大きな石があるようだと入らないし、柔らかい場所だと沈み込んでしまうし。何度も打ち直すはめになっていやになります。セットハンマーは重いからね。

その上、足場はスタイロフォームの上にサイコロを置いて配筋がしてある状態。もうね、どんだけ歩きにくいんだ!と叫びたくなります。ちょっと足に力を入れ過ぎるとスタイロがバリっと割れてしまうし。ま、コン打ち時にはどっちみちバリバリになっちゃうんだけどね。

不安定な足場を移動しつつ立ったり座ったりを繰り返し、セットハンマーを振り続ける。

しんどいわ。

土間ポイントのレベル出しが終われば、立上り壁の内側ぐるっとにもレベル出しをします。立上り壁のレベル墨にガムテープを貼って印を付けておくと、コン打ち時にも分かりやすい。

そんな一連の作業を完了させたら、土間コン打ちですね。

ここまで終われば現場内が一気に歩きやすくなります。歩きやすいってなんて素晴らしい!となんだか気分が良くなります。だいぶ建物らしくなってきたなとも実感します。

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